感染症遺伝子検査キット
製品概要
本製品は、マルチプレックスReal-time PCR法により複数の病原体遺伝子を1回の測定で同時に検出するキットです。
検体と前処理試薬の混合液を加熱処理するだけの簡単な前処理で、PCRへの添加溶液を調製できます。
本製品は、日本国内では研究用試薬としてのみご使用いただけます。
特徴
◆核酸の精製処理が不要
◆前処理から検出まで1時間
◆全キット同一のReal-time PCRプログラム
◆汎用Real-time PCR装置に適合
キット構成
キットには、検体からの核酸抽出試薬をはじめ、病原体を検出するために必要な試薬がすべて含まれています。
◆核酸抽出試薬
◆PCRマスターミックス(2x濃度)*1
◆プライマー/プローブミックス(10x濃度)*2
◆陽性コントロール
◆陰性コントロール
◆ヌクレアーゼフリー水
*1 反応に必要なTaq polymerase、dNTP mixture、Mg2+などを含んでいます。
*2 蛍光標識プローブを含んでいるため、日光などの強い光が当たらないようご注意ください。
ラインナップ
製品により、1キットあたり病原体1~3種類の病原体遺伝子の検出が行えます。用途に合わせてお選びください。
製品コード | 製品名 | 検出対象 | 容量 |
---|---|---|---|
Path-CT/NG | PCR kit for CT/NG | クラミジア(Chlamydia trachomatis)・淋菌(Neisseria gonorrhoeae) | 100 回分 |
Path-CT/NG/TV | PCR kit for CT/NG/TV | クラミジア(Chlamydia trachomatis)・淋菌(Neisseria gonorrhoeae)・トリコモナス(Trichomonas vaginalis) | 100 回分 |
Path-MG/MH/UP | PCR kit for MG/MH/UP | マイコプラズマ(Mycoplasma genitalium・Mycoplasma hominis)・ウレアプラズマ属菌(Ureaplasma spp.) | 100 回分 |
保存
-20℃
キット以外に必要な器具・機器類
【器具】
・マイクロピペット
・マイクロピペット用チップ
・マイクロチューブ
【機器】
・卓上遠心機
・ヒートブロック(95℃)
・リアルタイムPCR装置(FAM、ROX、Cy5の検出に対応したもの)
実施例
(I) PCR kit for CT/NG(製品コード:Path-CT/NG)を使用して、
6種類の尿検体(#1~#6)から簡易抽出試薬による核酸抽出後、ROX/FAMチャンネルのマルチプレックスPCRを行いました。
<使用した検体>
◆#1、#5及び#6:淋菌(Neisseria gonorrhoeae)陽性と判定されたサンプル。
◆#2、#3及び#4:クラミジア(Chlamydia trachomatis)陽性と判定されたサンプル。
図1. ROXチャンネル(淋菌)の増幅曲線(図をクリックすると大きな画像が表示されます)。#1、#5及び#6では増幅され、#2、#3及び#4では増幅されない(N/Cは陰性コントロール、P/Cは陽性コントロール)。
図2. FAMチャンネル(クラミジア)の増幅曲線(図をクリックすると大きな画像が表示されます)。#2、#3及び#4では増幅され、#1、#5及び#6では増幅されない(N/Cは陰性コントロール、P/Cは陽性コントロール)。
(II) PCR kit for CT/NG/TV(製品コード:Path-CT/NG/TV)を使用して、
尿・ぬぐい液を2つずつ(それぞれ#1及び#2)から核酸抽出を行い、ROX/FAM/Cy5のマルチプレックスPCRを行いました。
<使用した検体>
◆#1及び#3:膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)陰性と判定されたサンプル(それぞれ尿とスワブ)。
◆#2及び#4:膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)陽性と判定されたサンプル(それぞれ尿とスワブ)。
図3. Cy5チャンネル(トリコモナス)の増幅曲線(図をクリックすると大きな画像が表示されます)。#1及び#3では増幅されず、#2及び#4では増幅されました(N/Cは陰性コントロール、P/Cは陽性コントロール)。
※FAMチャンネル(クラミジア)、ROXチャンネル(淋菌)の図は省略。
関連製品
・RNA Preparation Kit (製品コード:MRK010)
簡易抽出では検出が難しい検体からの核酸の抽出精製を行うキットです。詳細はこちらをご覧ください。
本製品のご使用に際しての注意事項
本製品を使用するにあたっての注意事項です。ご使用前にお読みください。
(1)使用目的:本製品は研究用試薬です。
(2)測定結果:本製品は病原体由来の遺伝子を検出する試薬であるため、感染性のない不活化された病原体を検出可能性があります。
また、プライマー/プローブの配列内に遺伝子変異や欠損/挿入が生じた際には検出できない場合があります。
測定結果により発生する問題に関して当社は一切の責任を負いません。
(3)廃棄:測定に使用した試料は、感染性を有するものとして各施設の感染性廃棄処理手順書に従って処理してください。
試薬容器は、廃棄物の処理に関する法規制に従って処理してください。
お問い合わせ
本製品に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。