• English
  • 現在開発中のPOCTデバイス(Applications)

現在開発中のPOCTデバイス(Applications)

高速遺伝子解析デバイス

 

概要

ある生物種の集団のゲノム配列中に一塩基の変異が見られ、なおかつその頻度が1%以上の場合、これを一塩基多型(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)と呼びます。

SNPとは

図20. SNPとは

たとえば人のゲノムサイズは約30億塩基対ですが、およそ1,330塩基対につき一塩基程度の割合でSNPが観察されます。
これらのSNP情報を利用して遺伝的な背景を調べたり、原因遺伝子の分かっている遺伝病に関しては、将来的にその病気を発症する可能性などもあらかじめ調べたりできるようになりました。

医療での活用が早くから研究されてきたSNPとして、薬物代謝酵素遺伝子や膜輸送タンパク質遺伝子が挙げられますが、薬効や副作用の個人差を説明できるまでに研究が進んでいます。
すなわち、これらの遺伝子にその活性を低下させるようなSNPがあると、薬剤の血中濃度が長時間に渡って高く保たれるため、効果が強く発現し過ぎたり、有毒な中間代謝産物が蓄積されたりして、副作用を起こす可能性が高くなると説明できます。
逆に、薬剤がうまく働くことのできないSNPがあると、投与量を増やすなどの処置が必要と予測されます。
そこで、投薬前にこのような遺伝子のSNPを検査し、その遺伝子の型から適切な薬剤の投薬量を決定すれば、副作用が回避でき、効率的な治療効果を得ることができると期待されます。
最近では、新薬開発段階においても、薬剤代謝に関与する酵素遺伝子やトランスポーター遺伝子などのSNP情報をあらかじめ把握しながら開発が行われることが一般化しており、SNPを利用したテーラーメイド医療も現実的になってきました。

これらのSNP情報の利用は、患者が無用の副作用によって苦しむことを回避し、副作用への対処や不適切な投薬を減らすことによって医療費削減にもつながるものです。

 

われわれの解決策

従来の遺伝子解析法を利用したSNP解析では、最短でも1時間〜数時間程度と比較的長時間の解析時間を必要としていました。
そのため、例えば緊急時に薬を投与する必要がある際など、あらかじめ副作用情報を調べておくことができない場合に対応することは困難です。

われわれのCAs-CHIPを使用したSNP解析システムでは、解析に要する時間が15分間程度と短時間のため、例えば急患患者の手術中における薬剤の最適投与量の確定や、ガン手術中における腫瘍の転移の有無、抗癌剤の感受性・抵抗性などの診断、外来患者に処方する薬剤の薬効や副作用の可能性の迅速判定など、幅広い活用が期待されるものです。

高速遺伝子解析による至適投与量の決定

図21. 高速遺伝子解析による至適投与量の決定
拡大画像

 

取り組み状況

CAs-CHIPプラットフォームにより、薬剤代謝に関わる遺伝子の主たるSNP解析を可能としました。
現在は、特定薬剤に関して、その投与量と患者SNPの相関を調査している段階ですが、これをモデルケースとして、種々の薬剤についてテーラーメイド医療実現に向けた開発環境と提携先を求めています。。

現在われわれのシステムで分析可能なSNPsのリスト

表2. 現在われわれのシステムで分析可能なSNPsのリスト
拡大画像