2008.09.22 新聞記事を公開しました

平成20年9月9日 日経産業新聞 第一面 掲載

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記事内容

子宮頸がん 一網打尽 

複数の"元凶"1回で検出

兵庫県立大学の技術を使ったベンチャー、メタボスクリーン(横浜市、関澤隆一社長)は、子宮頸(けい)がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しているか、30分で調べられるDNA(デキシリボ酸)チップの開発に取り組んでいる。

シリコンの中に、髪の毛ほどの細さで長さ5ミリメートルのガラス管が10-20本埋め込んである。これがHPVの遺伝子を検出するDNAチップの"回路"。ガラス管内部は直径100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の穴が開いている。「穴にウイルスを検出する試薬を塗りこんでおく」(関澤社長)ことがポイントだ。

子宮頸部の細胞から抽出した成分をチップに垂らすと、毛細管現象によってガラス管に吸い込まれ、試薬と反応が始まる。チップの回路は平面状に作製するのが一般的だが、ガラス管を使った立体構造にすることで、複数のウイルス遺伝子を同時並行で調べられることが最大の特徴だ。

HPV遺伝子はおよそ100種類。発ガンに関係すると見られているのはそのうち数10種類。関澤社長は「このチップなら悪性の遺伝子に絞ってまとめて調べられる」と話す。何枚もチップを使う現行手法に比べ検査効率を大幅改善できる。

シリコンとガラス管を組み合わせた簡単な構造のため、製造コストも1枚当たり約300円に抑えられそうだ。このほど試作したチップを基に検査精度などを検証し、2010年の実用化を目指している。

HPV検出用DNAチップは、第一化学製品(現積水メディカル)も東芝グループと共同開発した製品を承諾申請中。メタボスクリーンが開発するチップなど品ぞろえが増えれば子宮頸がんの受診率向上や早期発見にも役立ちそうだ。